【2026最新】障がい福祉の業務継続計画未策定減算とは? 要件や運営指導(旧 実地指導)対策を解説
投稿日:2026.04.13
最終更新日:2026.04.13
ジョブメドレーアカデミー編集部
2025年4月より、業務継続計画(BCP)を策定していない障がい福祉サービス事業者は、基本報酬が減算されることになりました。本記事では業務継続計画未策定減算について、減算の単位数や適用条件、運営指導対策のポイントなどを解説します。

目次
業務継続計画(BCP)未策定減算とは
業務継続計画(BCP)未策定減算とは、障がい福祉サービス事業者が非常災害や感染症発生時の業務継続計画(BCP)を策定していない場合に、基本報酬が減額される制度です。
BCPの取り組みは、2021年度障害福祉サービス等報酬改定にて全障がい福祉サービス事業者を対象に義務づけられました。しかし、厚生労働省が2023年度に介護サービス事業者を対象に実施した調査によると、策定完了事業者が感染症BCPでは29.3%、自然災害BCPでは26.8%といった状況にとどまっていました。状況改善に向けて、介護分野で減算の導入が検討・実施されたことに倣い、障がい福祉分野でも同様に2024年4月1日より減算措置が導入されました。
障がい福祉サービス事業者が満たすべきBCPの義務項目は、以下の4つです。
- BCPの策定(感染症・非常災害)
- 従業員に対するBCPの周知
- 従業員への定期的な研修と訓練の実施
- BCPの定期的な見直しや変更
BCPに係る義務項目について詳しく知りたい方は以下記事もご参考ください。ジョブメドレーアカデミーでは自然災害BCPの記入例もご用意しています。
>【ひな形・記入例あり】未策定は減算! 障がい福祉サービスのBCP対策とは?
BCP未策定減算の対象サービスと単位数
BCP未策定減算の対象サービス
2025年3月31日で経過措置が終了し、BCP策定が義務付けられているほぼすべての障がい福祉サービスが減算の対象となっています。
なお、2025年3月31日までは経過措置につき、「非常災害に関する具体的計画」の策定が求められていない居宅介護をはじめとした一部サービスや、「感染症の予防及びまん延防止のための指針の整備」および「非常災害に関する具体的計画」の策定をおこなっている事業者は減算対象外でした。また、就労選択支援は2027年3月末まで経過措置として減算適用外です。
BCP未策定減算の単位数
BCP未策定減算はサービスごとに減算される単位数が異なります。施設・居住系サービスでは所定単位数の100分の3相当、訪問・通所系サービスでは所定単位数の100分の1相当の単位が減算されます。
サービス種類別の減算率
種別 | サービス | 減算率 |
|---|---|---|
施設・居住系サービス | 療養介護 | 3% |
訪問・通所系サービス | 居宅介護 ※ | 1% |
*「※」=2025年4月1日より減算適用
*出典:厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容をもとに作成(最終アクセス:2026年4月10日)
BCP未策定減算の適用要件
減算の適用要件は以下の2つです。
- 感染症BCPと非常災害BCPのいずれかまたは両方が未策定の場合
- BCPに従い、必要な措置が講じられていない場合
感染症BCPで必要な措置は、体制の整備、個人防護具や消毒液等の備蓄などが挙げられます。また、非常災害BCPの場合は、体制の整備、水・食料・燃料の備蓄などの措置が必要です。
なお、運営指導(旧 実地指導)等で不適切な運営が発覚した場合、減算は「基準を満たさない事実が生じた時点」まで遡及して適用されます。たとえば、「感染症の予防とまん延防止の指針」と「非常災害に関する具体的計画」を策定していない療養介護事業所が2025年10月の運営指導でBCP未策定を指摘された場合、10月からの減算にはなりません。療養介護においてBCP未策定減算が適用されたタイミングまで遡り、2024年4月分から減算対象となってしまいます。また、自立生活援助の事業所が2025年10月の運営指導でBCP未策定を指摘された場合、こちらも減算適用タイミングに遡って2025年4月からが減算対象となります。
ジョブメドレーアカデミーでは、障がい福祉施設におけるBCP策定のポイントやスムーズな策定方法について解説しています。以下の記事もあわせてご参考ください。
>【ひな形・記入例あり】未策定は減算! 障がい福祉サービスのBCP対策とは?
【注意】運営指導(旧 実地指導)で指摘を受けないために
障がい福祉サービスの運営指導は重点化が進む
障がい福祉サービスの運営指導の実施率の低さや大規模法人での処分事例を踏まえ、厚生労働省は運営指導・監査の見直しを進めています。2025年度には就労継続支援A型・B型、共同生活援助、児童発達支援、放課後等デイサービスなどが重点対象とされ、3年に1回以上の頻度で運営指導を実施する考えが示されました。
児童発達支援や放課後等デイサービスなどの障がい児支援では自己点検表が公開されており、就労継続支援B型や共同生活援助などの障がい福祉サービスでも自治体が主眼事項・着眼点を公開するなど、確認項目の標準化が進んでいます。
指導を受けないための確認ポイント
運営指導で不適切な運営や請求に関する不備が見つかった場合、報酬の返還や改善指導の対象となる可能性があります。運営指導で指摘を受けないためには、減算要件や義務項目について不備がないか自己点検することが大切です。以下2つのポイントを満たしているか確認しましょう。
- 感染症BCPと非常災害BCPをどちらも策定できているか
- 策定するだけでなく、計画に従って必要な措置を講じられているか
なお、BCPの周知や研修といった他の義務項目は減算要件ではありませんが、未実施の場合は運営基準違反とみなされてしまいます。以下の実施状況も必ず確認しておきましょう。
- 従業員への周知、研修、訓練、見直しといった、BCPに係る義務項目を実施できているか
公開されている自己点検表の一例として、こども家庭庁による放課後等デイサービスの運営指導調書をもとに、「業務継続計画の策定等」における確認事項と関係書類を紹介します。
運営指導の確認事項と確認書類(放課後等デイサービス)
確認事項 | 確認書類 |
|---|---|
(1)指定放課後等デイサービス事業者は、感染症や非常災害の発生時において、利用者に対する指定放課後等デイサービスの提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画を策定し、当該業務継続計画に従い必要な措置を講じているか。 (2)指定放課後等デイサービス事業者は、従業者に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施しているか。 (3)指定放課後等デイサービス事業者は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行っているか。 | (1)業務継続計画 (2)研修及び訓練を実施したことが分かる書類 (3)業務継続計画の見直しを検討したことが分かる書類 |
こども家庭庁|02【放課後等デイサービス】指定障害福祉サービス事業者 運営指導調書(自己点検表)をもとに作成(最終アクセス:2026年4月10日)
ジョブメドレーアカデミーでは、厚生労働省のガイドラインに沿ってBCPを策定する方法を解説した動画や、感染症BCP・非常災害BCPの研修動画を用意しています。実施記録も出力可能なため運営指導対策に最適です。以下よりお気軽に資料請求ください。
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参考
・厚生労働省|横断的事項について(業務継続に向けた取組の強化、送迎について)≪論点等≫
・e-GOV法令検索|指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準
・厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容
・厚生労働省|令和6年度障害福祉サービス等報酬改定等に関するQ&A VOL.1
・厚生労働省|障害福祉分野における運営指導・監査の強化について
・岡山県|運営指導における主眼事項及び着眼点(障害福祉サービス事業等)
(最終アクセス:2026年4月10日)
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