【2026年度】人材開発支援助成金をeラーニングに活用する方法

介護障がい福祉訪問看護

投稿日:2026.07.31

最終更新日:2026.07.31

ジョブメドレーアカデミー編集部

職員教育に力を入れたいけれど費用は抑えたい……そんな方には、人材開発支援助成金を活用した定額制eラーニングがおすすめです。本記事では、介護・障がい福祉・訪問看護事業者向けに、助成金の支給要件や助成率、申請の手順を分かりやすく解説します。

【2026年度】人材開発支援助成金をeラーニングに活用する方法

人材開発支援助成金とは

職員の職業能力開発を支援する制度

人材開発支援助成金は事業主が行う職業訓練に対して国が費用を助成する制度です。雇用する労働者に、職務に関連する専門的な知識や技能を習得するための訓練を計画的に実施した場合、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部などが支給されます。

2026年度には7コースが設けられており、定額制のeラーニングに対応しているのは「人への投資促進コース」です。

  • 人材育成支援コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 人への投資促進コース
  • 事業展開等リスキリング支援コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース

介護・障がい福祉・訪問看護で活用するメリット

介護・障がい福祉・訪問看護の現場では、新任職員から管理職まで、立場や経験に応じた継続的な教育が求められます。たとえば介護事業所の場合、次のような研修が職務に関連する訓練として考えられます。

  • 排泄・入浴・食事介助の基本
  • 間接業務研修
  • 褥瘡予防研修
  • 拘縮ケア研修
  • 自立支援介護の実践研修

実際に、介護職員等処遇改善加算の算定要件として職員の資質向上のための研修を実施している事業所も多いでしょう。

一方で、シフト勤務が中心の事業所では職員を一箇所に集めにくく、外部研修の受講料や移動時間も負担になります。定額制eラーニングに人材開発支援助成金を組み合わせれば、こうした研修にかかる経費を抑えられます。時間や場所の制約が少ないため、訪問業務が中心の職員にも無理なく受講してもらえます。

【あわせて読みたい】

介護職員等処遇改善加算について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

【2026年度】介護の処遇改善加算とは? 算定要件・計算方法・注意点を解説

eラーニングに活用できる「定額制訓練」とは

人への投資促進コースの位置づけ

人への投資促進コースは、企業内の人材育成を支援するため2022年度に設けられました。2026年度末までの時限措置とされており、定額制の研修サービスを助成対象とする定額制訓練をはじめ、次の5つの区分があります(2026年7月時点)。

  • 高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練
  • 情報技術分野認定実習併用職業訓練
  • 定額制訓練
  • 自発的職業能力開発訓練
  • 長期教育訓練休暇等制度

定額制訓練とは

定額制訓練は一定期間、定額料金で複数の講座を受講できる研修サービス(いわゆるサブスクリプション型)を利用した訓練です。

ただし、定額制であればどの研修サービスでも助成対象になるわけではありません。訓練内容や実施方法などについて、所定の要件を満たす必要があります。

定額制eラーニングが対象となる主な条件

eラーニングを定額制訓練として申請するには、研修サービスと訓練内容について次の要件を満たさなければなりません。

  • 広く受講者を募集している教育訓練機関が提供する事業外訓練である
  • 対象労働者の職務に関連する専門的な知識・技能を習得するための訓練である
  • 事業主が業務上受講を命じ、原則として労働時間中に実施する
  • 支給対象外の講座を含む場合、支給対象講座数が全体の5割以上である
  • 助成対象となる訓練の実施期間が1年以内である
  • LMSなどで受講の進捗を管理でき、申請時に対象者ごとの修了状況を確認できる

また、助成対象者数よりも多い人数向けの料金プランを契約した場合などは、料金の一部が助成対象経費として認められないことがあります。契約前に、料金プランが実際の受講人数や利用方法に照らして適正かどうかを確認しておきましょう。

定額制訓練の支給要件と助成率

支給対象となる事業主・受講者

人材開発支援助成金を利用するにはeラーニングの内容だけでなく、事業主や受講者についても要件を満たす必要があります。

区分

主な要件

事業主

雇用保険適用事業所の事業主である

人材育成体制

職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を策定・周知している

受講者

原則として、申請事業主が設置する事業所の雇用保険被保険者である

賃金

訓練期間中も対象労働者に適正に賃金を支払う

経費負担

支給申請日までに、事業主が対象経費を全額負担する

受講実績

対象労働者ごとに、標準学習時間の合計が10時間以上となる訓練を修了する

職業能力開発推進者は事業所内の職業能力開発を進める担当者です。専任者を新たに雇用する必要はなく、研修担当者や管理職などから選任できます。

事業内職業能力開発計画には事業所の人材育成方針や目標、実施する教育訓練の内容などをまとめます。訓練計画届を提出するまでに整備しておく必要があります。

2026年度の受講時間要件

2026年度から定額制訓練の受講時間要件が変わりました。

  • 従来(2025年度まで)対象労働者全員の標準学習時間を合計して10時間以上
  • 2026年度対象者一人ひとりが標準学習時間10時間以上の訓練を修了

たとえば8人を申請対象にし、うち6人が10時間以上、2人が7時間の訓練を修了したとします。この場合、10時間以上を修了した6人のみが支給対象となります。

なお、標準学習時間とはeラーニングにログインしていた時間ではなく、教育訓練機関が各講座に設定した学習時間です。支給申請時には教育訓練機関が発行する書類などで、対象者ごとの修了状況を示します。

申請対象者を決める際は勤務シフトや受講期間を踏まえて計画を組み、進捗を途中で確認しておくと安心です。

定額制訓練の助成率

定額制訓練では研修サービスの利用にかかった対象経費の一部が助成されます。

企業区分

通常の経費助成率

中小企業

60%(75%)

大企業

45%(60%)

※()内は訓練修了後に「賃金要件」または「資格等手当要件」を満たした場合の助成率

定額制訓練の経費助成率は中小企業が60%、大企業が45%です。介護・障がい福祉・訪問看護を含むサービス業では、資本金または出資金が5,000万円以下、または法人全体の常時雇用する労働者数が100人以下であれば、中小企業に該当します。さらに、賃金要件や資格等手当要件を満たした場合、助成率は中小企業75%、大企業60%に引き上げられます。
※賃金要件は、対象者の毎月決まって支払われる賃金を5%以上増加させること。資格等手当要件は、職務に関連する資格等の手当を新たに支給し、賃金を3%以上増加させることを指します。

助成対象となる主な経費

定額制訓練では、次のような費用が助成対象となります。

  • 定額制eラーニングの基本料金
  • アカウント利用料
  • 初期設定費用
  • 管理者用IDの付与料金
  • 修了証の発行費用
  • 受講管理に必要なオプション費用

パソコンやタブレット、通信機器の購入・レンタル費用などは対象外です。サービスの利用料金に複数の費用が含まれる場合は、どこまでが助成対象経費として認められるか、契約前に管轄の労働局に確認しましょう。

人材開発支援助成金の申請の流れ

人材開発支援助成金は原則として、訓練を開始する前に計画を届け出る必要があります。

申請から支給までの基本ステップ

人材開発支援助成金を利用する際の基本的な流れは次のとおりです。

  1. 職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を策定・周知する
  2. 受講対象者と訓練内容を決める
  3. 訓練開始前に計画届を提出する
  4. 計画に沿ってeラーニングを実施する
  5. 対象者ごとの受講実績を確認する
  6. 訓練終了後に支給申請を行う

計画届の提出時期と必要書類

業務命令による訓練の場合、訓練開始日の6カ月前から1カ月前までに計画届を提出します。定額制訓練では原則としてサービスの契約期間の初日が訓練開始日となります。契約開始日の1カ月前までに提出できるよう、余裕をもって準備しましょう。

画届の提出時に使用する主な書類

  • 職業訓練実施計画届(様式第1-1号)
  • 定額制サービスによる訓練に関する対象労働者一覧(様式第3-2号)
  • 事前確認書(様式第11号)
  • 訓練のカリキュラムや標準学習時間が分かる資料
  • 契約期間や料金体系が分かる資料
  • LMSなどによる進捗管理機能を確認できる資料
  • 訓練に係る教育訓練機関との契約書、または受講案内及び申込書の写しなど

提出書類は事業所や申請内容によって異なる場合があります。契約前に申請先となる管轄労働局へ確認しておくと安心です。

支給申請の期限と必要書類

訓練終了後は、訓練終了日の翌日から起算して2カ月以内に支給申請を行います。期限を過ぎると助成を受けられないため、受講実績や経費の支払いを証明する書類は、訓練期間中から準備しておきましょう。

支給申請に必要な書類は事業主が作成・準備するものと、eラーニング事業者の記入・発行が必要なものがあります。 

事業主が作成・準備する主な書類

  • 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
  • 支給申請書(様式第4-2号)
  • 定額制サービスによる訓練に関する経費助成の内訳(様式第6-3号)
  • 対象労働者の定額制サービスによる訓練実施結果報告書(様式第8-5号)
  • 対象労働者の雇用契約書または労働条件通知書の写し
  • 受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)
  • 受講料等の請求書、領収書、振込記録の写し

なお、2026年5月14日以降の対象となる支給申請では「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」を提出します。

振込先口座が未登録の場合は「支払方法・受取人住所届」も必要です。また、常時雇用する労働者数を基準に中小企業へ該当する場合は、「事業所確認票(様式第13号)」を提出します。

「対象労働者の定額制サービスによる訓練実施結果報告書(様式第8-5号)」は、実際に訓練を受けた職員が受講内容などを記入し、事業主が内容を証明します。対象労働者が10人以上の場合は任意の10人分、10人未満の場合は全員分を提出します。

eラーニング事業者の記入・発行が必要な主な書類

  • 標準学習時間10時間以上の訓練を修了した対象者の一覧表
  • 支給申請承諾書(訓練実施者)(様式第12号)
  • 受講料等の請求書や領収書

様式第12号は事業主が申請者や訓練に関する情報を記入したうえで、教育訓練機関に確認・記入を依頼する書類です。事業者から完成済みの書類を受け取るのではなく、双方で作成します。

提出書類や様式は改正されることがあるため、申請前に厚生労働省の最新情報を確認し、判断に迷う場合は管轄労働局へ相談してください。

ジョブメドレーアカデミーは、介護・障がい福祉・訪問看護の現場で役立つ研修を幅広く提供する定額制eラーニングです。人材開発支援助成金の支給申請にあたっては、支給申請承諾書(様式第12号)などの記入・発行にも対応しています。助成金の活用を見据えたeラーニングをお探しの方は、サービス資料をご確認ください。

受付時間 9:30 〜 18:00(平日)

人材開発支援助成金の対象にならない研修

法令等で実施が義務付けられている研修

法令などにより事業主に実施が義務付けられている研修は、原則として人材開発支援助成金の対象外です。

介護・障がい福祉・訪問看護事業所では、各サービスの運営基準に基づいて虐待防止、身体拘束等の適正化、感染症対策、業務継続計画(BCP)などに関する研修の実施が求められています。これらの研修は定額制訓練の助成対象にはなりません

なお、資格取得に必要な訓練まで一律に対象外となるわけではありません。たとえば、介護福祉士の受験資格を得るための介護福祉士実務者研修は、職務関連訓練の例として厚生労働省資料に示されています。

そのほか対象外となる主な研修

法令等に基づき実施が義務付けられている研修のほか、訓練の目的が次のいずれかに該当する場合も、原則として助成の対象外です。

  • 対象労働者の職務に直接関連しない研修
  • 接遇・マナーなど、職種を問わず社会人に共通して必要となる基礎的な研修
  • 趣味や教養を身につけることを目的とした講座
  • 自社の経営方針、社内制度、組織、人事規則などの説明
  • 自社で使用する機器や端末の操作説明
  • 自社の商品・サービスに関する説明
  • 会議、学会、研究発表会、見学会、視察、ビジネス交流会など
  • 仕事への意欲や心構え、組織の士気を高めることだけを目的とした研修
  • 講習を受けなくても単独で受験できる資格試験や適性検査

たとえば、自社の人事評価制度や就業規則を職員に説明する研修、事業所で導入した介護ソフトの操作方法だけを説明する研修、自社サービスの営業方法を共有する研修などは、通常の事業活動の一部とみなされ助成対象になりません。

また、接遇・マナー研修は、幅広い職業で共通して必要となる共通スキル訓練として、原則対象外です。ただし、定額制訓練では新入職員、中堅職員、管理職などの各階層に対し、入職時や昇格時など適切な時期に実施する場合は助成対象となることがあります。

なお、対象外の講座が含まれるeラーニングサービスでも、助成対象となる講座数が全体の5割以上であるなど所定の要件を満たせば、定額制訓練として申請できます。

助成金活用を見据えたeラーニングの選び方

定額制eラーニングを選ぶときは、講座数や料金だけでなく、人材開発支援助成金の申請と研修運営の両面から比較することが大切です。

人材開発支援助成金の要件に対応している

まずは、定額制訓練として申請するために必要な情報を事業者から提供してもらえるかを確認しましょう。

  • 講座のカリキュラムと標準学習時間が明確である
  • 職務に関連する対象講座を判別できる
  • 職員ごとの受講時間と修了状況を確認できる
  • 契約内容や料金体系を説明する資料がある
  • 支給申請に必要な事業者側の書類を提供できる

助成金の活用実績があるサービスでも、最終的な支給可否は申請内容ごとに判断されます。「このサービスを契約すれば必ず受給できる」というわけではありませんので、ご注意ください。

職員の資質向上研修と法定研修の両方を受講できる

虐待防止や身体拘束適性化などの法定研修は助成金の対象外ですが、事業所としては毎年実施する必要があります。

助成対象となり得る資質向上のための研修と法定研修を別々のサービスで用意すると、アカウント管理や受講案内、受講履歴の確認も別々に行わなければなりません。

両方の研修を提供するeラーニングを選べば、年間研修計画が組みやすく、日常の研修運営を一つの仕組みにまとめられます。職員が複数のサービスを使い分ける手間もなくなります。

受講履歴を職員ごとに管理できる

2026年度の定額制訓練では、対象者一人ひとりが標準学習時間10時間以上の訓練を修了する必要があります。そのため、職員ごとに受講した講座や標準学習時間、修了状況を確認できるサービスを選びましょう。

こうした管理機能は助成金申請のための進捗確認に加え、法定研修の実施記録の保管や運営指導への備えにも役立ちます。

まとめ

人材開発支援助成金の「人への投資促進コース・定額制訓練」は、所定の要件を満たす定額制eラーニングの利用料を助成する制度です。中小企業の経費助成率は60%で、一定の要件を満たす場合は75%となります。2026年度からは対象者一人ひとりが標準学習時間10時間以上の訓練を修了する必要があるため、勤務シフトや受講期間を踏まえて対象者と研修計画を決めることが大切です。

申請にあたっては訓練開始前に計画届を提出し、訓練終了後に支給申請を行う必要があります。また、法令などにより事業主に実施が義務付けられている研修は、原則として助成対象になりません。eラーニングを選ぶ際は、助成対象となる研修の内容だけでなく、職員ごとの受講状況を管理できるか、申請に必要な書類を提供してもらえるかも確認しておきましょう。

制度や申請様式は改正されることがあります。利用するときは厚生労働省の最新資料を確認し、対象可否に迷う場合は契約前に管轄労働局へ相談してください。

ジョブメドレーアカデミーでは、介護・障がい福祉・訪問看護職員のための資質向上研修に加え、各サービスで実施が求められる法定研修も提供しています。

職員ごとの受講状況や修了状況を管理できるため、助成金申請に向けた進捗確認や、年間研修計画の運用、法定研修の実施記録の作成・保管にも活用できます。研修内容や受講管理機能について、詳しくはサービス資料をご覧ください。

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